代表ブログ
2024.09.30
「生きがいが開花する介護」を通じて目の前の人に”誇りある時間”をお届けしたい~「株式会社木の恵」山下優奈代表インタビュー(後編)
代表ブログ
千葉県のデイサービス施設を運営する
「株式会社木の恵(このえ)」代表の山下優奈(ゆうな)さんに、
理念である「生きがいが開花する介護」誕生のきっかけや、
“木の恵”の今後の展望についてお話を伺ってきました。
前編からの続きをご覧ください。
「生きがいが開花する介護」を通じて目の前の人に”誇りある時間”をお届けしたい~「株式会社木の恵」山下優奈代表インタビュー(前編)
利用者さまお一人おひとりと丁寧に関わることが遠回りなようで一番の近道
――素敵なエピソードをありがとうございます。
「利用者さまと第二の家族になる」というのはなかなか難しいことと思いますが、
なにか工夫していることはありますか?
はい。
これについては、
現在進行形で試行錯誤している
というのが正直なところです。
ご家族との関係性は利用者さまそれぞれ異なります。
なかにはご家族との関係性自体が
希薄となっている方もいらっしゃいます。
そのような状況ですので、
すべての方に同じ対応ができるわけではありません。
ある利用者さまにはうまくいったことも、
他の利用者さまには
かえって逆効果になってしまうこともあると思います。
「介護をする側・される側」という
「介護ありきの関係性」ではなく、
お互いを対等な関係として、
お一人おひとりと丁寧に関わることが、
遠回りなようで一番の近道なのかなと感じています。
一人ひとりと丁寧に関わることが一番の近道
先日も、このようなことがありました。
ある利用者さまが、
他の利用者さまと少しトラブルになってしまったのです・・・
その利用者さまは”木の恵”の理念に理解を示してくださり、
周りの知り合いに「このデイサービスいいよ」と
宣伝してくださっていました。
その利用者さまの紹介で来てくださる方もいるほど、
”木の恵”をとても応援してくれています。
ご本人も、
「自分は死ぬまで”木の恵”のデイサービスに通うんだ」
と言ってくださっています。
そのような利用者さまに、
他の利用者さまとのトラブルについて
どこまでお声がけしたら良いのか・・・
正直、とても迷いました。
ご本人同士の納得があれば、
うやむやにして終わらせることもできたでしょう。
いつもデイサービスの雰囲気づくりに
貢献してくださっている方ですので、
「今回は仕方がないかな」
と、なあなあで済ませることもできたかもしれません。
ですが、
「”生きがいが開花する介護”を共に目指す『仲間』として関わるなら、どうする?」
と考えると、
ご本人に気付いてもらい
行動を改めていただかないといけない。
ですので、
ご本人にきちんとお伝えすることにしました。
最初は「自分は悪くない」と言っていた利用者さまも、
私たちが本気で利用者さまのことを思っていると
感じ取っていただけたのか、
行動を改めるとお約束いただけました。
このように、
「介護というサービスを提供しよう」というよりは、
この利用者さまがもっと輝くためには、
家族・仲間としてどうすればいい?
という意識のもと、
スタッフ一人ひとりが利用者さまと関わっています。
また、利用者さまとスタッフの間だけではなく、
スタッフ同士の連携も大事にしています。
仕事の上での立場や役割はありますが、
お互いをかけがえのない対等な仲間として、
それこそ家族のように関わりたいと考えています。
”木の恵”という場を通じて
”生きている実感”を感じていただくのは、
利用者さまだけではなく、スタッフも同様です。
お互いに貢献することを通じて
明るく温かく、楽しく、和気あいあいとした空間を
利用者さまと共に創り上げるなかで、
”木の恵”のデイサービスという場が
利用者さまだけでなくスタッフにとっても
「生きがいが開花する場」になっていく。
それが私の理想とする介護です。
具体的な取組みでいうと、
介護をするとき、利用者さまお一人に対して、
担当のスタッフが決められている施設もありますが、
”木の恵”ではすべてのスタッフが連携して
利用者さまお一人おひとりをみています。
一部のスタッフしか
その利用者さまのことが分からなかったり、
利用者さまの情報の共有漏れがないよう、
スタッフ全員が、それぞれの視点で
利用者さまをお一人ずつ把握する。
そのことによって、
利用者さまの新たな個性に気付くなど、
良い循環が生まれています。
利用者さまの体調はもちろん、
会話の内容から気付いたこと、
その日、デイサービスに来られたときの様子など、
些細なことでもスタッフ同士で密に声を掛け合うことを
特に意識して行っています。
また、”木の恵”が運営しているデイサービスの
3店舗でスタッフが行き来したり、
3店舗合同で研修を行ったりするなど、
店舗間の垣根を超えた連携を行うことで
スタッフのさらなる成長につなげています。
「生きがいが開花する介護」を通じて未来が明るくなるといい
――“木の恵”の代表として、
今後、どのようなことに取り組みたいですか?
”木の恵”では、
利用者さま、スタッフともに
”木の恵”のデイサービスという空間を一緒に創り上げるなかで
”生きている実感”を感じていただき、
それによって
今までの人生の見方が変わる体験をしていただく、
「生きがいが開花する介護」を叶えるため、
「第二の家族のような関わり」
「おいしくて安全な水」
「添加物を極力無くした手作りの食事」
などのこだわりをもって
利用者さまに一日を過ごしていただいています。
さらに、“木の恵”という場所を、
精神的な意味だけではなく
空間を整えるなどの物理的な面でも、
利用者さまがその場にいるだけで元気になって、
より安心して一日を過ごせる場所にしていけるよう、
現在進行形で改良しています。
まずは初めの取り組みとして、
昨年、スタッフルームを改築しました。
「安心できる空間」にこだわったスタッフルーム
スタッフがほっと緩むことが出来るよう、
観葉植物を置いたり、間接照明にしたり、
音質の良いスピーカーで環境音楽を流したり。
私たち人間は空間からの情報や雰囲気を
無意識のうちにキャッチしているので、
よりよい環境でしっかり休めるよう、
空間にとことんこだわりました。
お茶やコーヒー、お菓子も置きました。
これもすべて、
スタッフが心身ともに回復して、
より良い状態で
利用者さまに「生きがいが開花する介護」を提供するためです。
ですが、改築当初は
スタッフがなかなか休憩してくれませんでした。
「休憩時間の1分でも惜しい」
と言って現場に戻ってしまいます。
お茶も飲んでもらえませんでした。
環境音楽も、流し始めた当初は、
消したい!とスタッフから言われました。
「眠くなっちゃうから」って。
「休まないのが美学」みたいなところがありました。
介護業界ではよくある話だと思いますが・・・
ですので、
「スタッフ自身が休憩して緩むことで、
利用者さまにより本質的な介護ができるんだよ」
と、スタッフ一人ひとりに何度も説明し、
意識づけをしていきました。
――その結果、どう変わったのですか?
スタッフも徐々に休憩をとってくれるようになり、
「前よりも利用者さま一人ひとりに目がいくようになった」
など、仕事の質が上がったという声を
聞くようになりました。
コーヒーやお菓子も減るようになり、
事前にアラームを付けて眠るスタッフも出てきて、
環境音楽が、いい睡眠導入になっているみたいです。
新たに採用されたスタッフのなかには、
「生きがいが開花する介護」という理念について、
頭では理解しても実感が伴うまでには
時間がかかる方もいます。
特に、以前に介護職を経験している場合は
今まで携わってきた「一般的な介護」の常識から考えると
かけ離れていることが多いと思います。
理念が自分の働き方にどう関係しているんだろうと
不安に思うこともあると思います。
ですので、まずはスタッフ自身が
「安心できる場の空気感」を実際に体感して、
心身共に緩むことを経験して、
それを利用者さまにお伝えしていくようにしました。
言葉だけじゃなくて、
スタッフの雰囲気や関わり方、声、
介護のやり方ひとつでも
利用者さまには伝わっていきますので・・・
そして次は、どうやって
利用者さまが一日を過ごす場所に反映させていくか、
その場にいるだけで元気になって、
より安心して一日を過ごせる場所にするには
どうしたらいいかを考えながら
環境を整え始めているところです。
早く利用者さまにも理想の場所をご提供したいです!
――そのほかに取り組みたいことや目標などはありますか?
やはり、利用者さまやスタッフの壁や垣根をなくし、
全員でひとつのコミュニティを作りたいです。
今までどんな人生を歩んできたか、
どんな生き方をしてきたかなど関係なく、
ご縁があってデイサービスに来られた利用者さまに
おいしくて安全な水や食事、
安全な環境を土台にした
第二の家族のような関わりを通じて
”生きている実感”を再発見していただく。
”木の恵”で、
こういったかけがえのない誇りある時間を過ごすことで
人生の見方が変わり、
今までの人生が愛おしく思える。
安心感のある環境のなかで
まっさらな気持ちで利用者さまと関わり、
人と人との心からのつながりを実感することで
利用者さまの生きがいが開花し、
お互いが与え合い、想い合える、
気持ちが循環するような場所を共に創り上げていく。
その姿に、スタッフもより深い喜びを感じ、
スタッフ自身の生きがいが開花していく。
次第に利用者さまやスタッフのご家族、その先へと
想いが伝播していき、
地域や子ども達へと浸透していったら、
未来は明るいものへと変わっていくはずです。
そのような世界に少しでも近づけるよう、
まずはスタッフ全員が一丸となって、
利用者さまに「”木の恵”は第二の家族」
と思っていただけるような関わりを
お互いに助け合いながら、
愚直に続けていこうと思います。
そのために、私は“木の恵”の代表として、
スタッフが心身ともに豊かであるために
資格取得支援の仕組みづくりや
労働環境の改善などに取り組んでいます。
そのほか、
“木の恵”の3店舗は今、どういう空気なのか?
「生きがいが開花する介護」に合った雰囲気か?
をわたしが直接確認しに店舗の巡回を行っています。
また、それぞれのスタッフが思い描く理想の介護を
いかにわたしが取りまとめて
「生きがいが開花する介護」へとつなげていくか?
スタッフ一人ひとりの悩みや課題を聞き取るなど
泥臭く関わり続けることで、
理想に近づけていきたいです。
――スタッフとの距離が近そうな感じがします。
自分ではこれが当たり前なのですが、
スタッフとの距離は・・・
もしかしたら近いのかもしれません。
私も介護の現場に立っています!
「店長には言いづらいけど・・・」
と”木の恵”の3店舗の店長には言えない悩みを
代表のわたしに打ち明けてくれるスタッフもいます。
忙しくて店舗の巡回がなかなか出来なかったとき、
「代表が来てくれないかな」
って思ってくれたスタッフもいてくれて。
採用面接も、代表であるわたしが行っています。
スタッフに業務を任せて
自分がラクになることを考えるのではなく、
スタッフにとって
わたしという存在が安心材料になれるよう、
これからもスタッフ一人ひとりと
丁寧に関わっていきたいです。
――最後に、“木の恵”への応募を検討している方へ一言お願いします。
このように、”木の恵”では「人の思い」を大切にしていて、
どんな思いで介護に携わるかを大切にしています。
介護業界の経験があるかどうかは関係ありません。
人と人との血の通った関わりから
利用者さまと「第二の家族」のような関係を作り、
他のスタッフや利用者さまとともに
明るく温かく、楽しく、
和気あいあいとした空間を一緒に作っていきませんか。
「生きがいが開花する介護」を通じて
わたしたちと一緒に
あなた自身の生きがいも開花させてみませんか。
わたしたちはまだ、
理想に向けて一歩ずつ歩んでいるところです。
悩むこともあります。
正直、「こうすれば良かったかな…」と
思うこともあります。
ですが、
「生きがいが開花する介護」
が介護の理想だという共通の意識のもと、
スタッフ一丸となって
充実した、かけがえのない日々を過ごしています。
一緒に理想を追い求めてくれる方、大歓迎です!
一度“木の恵”に来てくだされば、
「生きがいが開花する介護」の良さが絶対に伝わるはずです。
ご縁のある方のご応募をお待ちしております!
興味のある方はぜひこちらからチェックしてください。
――ありがとうございました。・・・